戦艦少女中国のスマートフォンゲーム。
おそらく『艦隊これくしょん』に触発されたと思われる、中国版艦これともいえる存在。ゲームシステムはとてもよく似ており、当初はまたパクリかといわれていた。
しかしキャラクターデザインは同じ時期に出てきた悪名高い艦娘国服や炮妹と違って質の高いオリジナルであり、キャラがしっかり確立されている。
空母が弓道着姿だったり、潜水艦が水着姿だったりするあたり、艦これからの影響を感じずにはいられないものもある。とはいえ、艦これ登場以前からこれらの艦船を擬人化した際、同様のイメージで描かれることがあった、いわば「自然発生的なフォーマット」であったとも言える。
世界中の艦船が登場するのが特徴で、連合･枢軸の主要な艦艇群はもちろん、トルコ海軍の戦艦ゲーベンやロバーツ級モニター艦、大型潜水艦スルクフなどかなりニッチなキャラもいる。日本海軍のキャラもしっかりとデザインされている。
あらすじ：戦艦少女(じゃんじぇんしゃおにゅ)
大海原の女武神たちはここに蘇った
あなたと一緒に、再び戦うために
概要
??少女（戦艦少女、Warship girls）は中国のスマートフォンゲーム。
おそらく『艦隊これくしょん』（艦これ）に触発されたと思われる、艦艇擬人化ゲーム。リリース当初のゲームシステムは『艦これ』ととてもよく似ており、中国語圏で乱造されている艦これパクリゲーの中の一つと見られていた。
しかしキャラクターデザインが（先行して出てきた）艦娘国服や炮妹と違って質の高いオリジナルであったことや、度重なるアップデートによるシステムの改善、そしてなにより運営の圧力を跳ね除ける不屈の開発陣の努力と行動力により一定の地位を確立した。
現在大規模アップデートが完了し、戦艦少女Rへと名前が変化。UIが改良され、戦闘シーンはちびキャラが実際に撃ち合うものへと大幅に変わった。
第二次世界大戦に参戦した世界中の艦船が登場するのが最大の特徴。連合･枢軸の主要な艦艇群はもちろん、チリ海軍の巡洋艦オヒギンズ（元・アメリカ海軍巡洋艦ブルックリン）やモンゴル海軍の補給艦スフバートルなど日本ではマイナーな海軍の艦船も登場している。ロバーツ級モニター艦、モニター潜水艦スルクフなどかなりニッチなキャラもいる。日本海軍のキャラも多く実装されているので艦これと比べるのもまた面白い。『艦隊これくしょん』等の二次創作において未登場の海外艦を出す時に参考にするのも手。
キャラクターデザインでは、弓道着姿の日本空母や、水着姿の潜水艦など、やはり艦これからの影響を感じる面は多々ある。しかし、艦これ登場以前から艦船擬人化ではそのようなイメージで描かれることが少なからずあったことも付け加えておきたい。
Androidアプリ版は中国・台湾国外からのダウンロードも可能であり（iOS版はダウンロードの際住所を中国国内に書き換える必要がある）、日本語 Wikiを頼りに参戦する日本人プレーヤーも少なくない（非公式な日本語化パッチもある）。日本からのプレイは基本的にサポート外ではあるが、twitterには日本語の公式アカウントがあり、開発元の幻萌は日本の同人誌即売会にも、日本専用のオリジナルグッズや公式設定本を委託販売している。
公式な海外展開としてはタイ語版が2016年に配信されたのを皮切りに、現在、開発元の幻萌では、日本語と英語の翻訳スタッフを募集しており、正式な日本語版の登場が待たれるところである。
システム
『艦これ』との大きなルール上の差は、轟沈してもキャラロストは無く撤退となる点。代わりに好感度が設定されており、撤退すると大きく下がる上に他の艦まで下がるというデメリット（ペナルティ）がある。艦これと同じく結婚システムも存在しているが、目当ての艦と結婚するにはレベルではなく好感度を100まで上げる事が必須条件になっている。
『艦これ』では海域の分岐条件は明示されないが、『戦艦少女』では、海域の分岐条件が随時表示される。特定のマスでは敵との速度差があれば戦闘を迂回することも可能。戦闘では戦艦(と巡洋戦艦とモニター艦)が昼戦で2回の砲撃を行える点は同じだが、艦種ではなく、その艦が装備している砲の射程の長さによって得られる効果になっているため、条件によっては、巡洋艦が昼戦で二回の砲撃を行い、さらに雷撃能力もある場合は計三回の攻撃を行う事が可能となっている。
このゲームの改造では、レベルの他にコア(核心)という各艦種ごとのアイテムの必要数が設定されており、デイリー任務の他に史実上の海戦が再現された戦役という特殊な戦闘で集める事ができる。またコアは分解して資源に変えられる(駆逐コア→燃料、巡洋艦コア→弾薬など)ため、改造に使用する以外にも普段から貯蓄しておき、イベントなどで資源を浪費した際の緊急的な補給手段として使う方法が有る。
『艦これ』のように装備の組み合わせによるカットイン攻撃は無い。かわりに改造を受けた艦は様々な特殊効果を持つスキルが得られ、強化(艦これにおける近代化改修)で全てのステータスを最大値まで上げる事によりスキルの解放と強化(上限はレベル3)が行える。
ゲーム名について注記
このゲームには戦艦以外の艦種が多く登場するが、中国語の「戦艦」（??）はWarship、つまり「軍艦」のこと。日本語の「戦艦」（Battleship）に相当する中国語は「戦列艦」（?列?）でありこのゲームでもそのように表記されている。
故に、このゲームを中国語のタイトルをそのまま日本の漢字に置き換えると「戦艦少女」だが、意味を汲んで日本語に訳すると「軍艦少女」ということになる。
これまでの経緯、運営ＶＳ開発
このゲームに触れるなら知っておくべき戦いの歴史がある。
それは運営と開発の対立である。
もともとは開発会社の「幻萌网?」と運営会社の「派趣科技」（通称：P7）の共同でサービスを行っていたが、派趣側の度重なる悪行が続いていた。
ざっと確認できるだけでも･･･
・プレイヤーをニラ呼ばわり。（プレイヤーはニラだ。刈ってもまた生える、と発言）
・ナショナリズムを煽ろうとする。（反ファシズム戦争に捧ぐといった感じの政治的文言追加）
・日本のアニメキャラをパクリまくった300heroesというゲームとコラボしようと試みる。
・日本艦の呼び方を強制変更する。（実際の名称からちょっと変える）
・上記行為を快く思わない開発陣のアカウントを凍結する。
などなど
これに対して以前から中国人提督たちによる反発が続いていたが、遂に幻萌側が決起。運営との契約を破棄すると台湾で新たにサーバーを立ち上げ独自に稼働させ、現在に至る。
その後も派趣側は残ったデータで運営を続けたが、幻萌の訴えによって2015年8月末にAppStoreから派趣のiOS版戦艦少女の配信が停止された。
現在は幻萌网?によるR版が利用できる。
その後も幻萌と派趣の間では本作の権利を巡って裁判が行われていたが、16年2月16日に派趣側が(恐らくは裁判を有利に進める一策として)「日本軍艦船の名称を使用しているファシズム・軍国主義的な作品である」として政府当局に訴えた。
これに対し幻萌側は、一時的な処置として日本軍艦の名称を動物名に変更するアップデートを配布。そのため動物園パッチと呼ばれている。が、導入するとエラーが出るという報告もある。プレイヤー間では動物のコスプレをした日本艦のネタ絵がTwitterなどに投稿された。
挙句の果てには公式Twitterですら、このアップデートは適用しないように呼びかけている。このような動きから、現開発が旧運営をどんなものと感じているか伺い知ることが出来る。
